源緒雨はすぐにトイレに走って鏡を見た。
しかし結果は同じだった。
鏡の中の顔は赤く腫れていた。
見るに堪えないほどだった。
「ああ!」
源緒雨はこの現実を受け入れ、顔を激しく掻きむしった。
掻けば掻くほど血が出てきた。
すぐに。
彼女の顔全体が血まみれになった。
感情を発散させた後、源緒雨はようやくこの事実を受け入れ、部屋に戻って110番に電話をかけた。「通報したいんです!」
警察署に行ってから、源緒雨は今朝だけでも顔が腐ったような症状を訴える人が数十人を超えていることを知った。
しかも彼女たちは源緒雨と同様に、皇妃物語が摘発されたと知りながらも、家族の反対を押し切って使用し続けていた。
その中の一人の女の子は母親と一緒に来ていた。
母親は怒りと恨みに満ちていた。
「美人亭を買うなって言ったのに反抗して!今さら泣いても何にもならないでしょう!」
検査科からも結果が出て、皇妃物語の成分に重大な問題があることが確認された。
ニュース記者が南通りに駆けつけ、近隣の商店主たちへの取材を始めた。
馬場沙保里も警察に連行され取り調べを受けることになった。
「警察官、私たちは冤罪です。小林桂代と大川素濃が私たちを陥れようとしているんです!」
二人の警察官が左右から馬場沙保里を支えながら、「安心してください。我々は一人の善人も一人の悪人も見逃しません。調査の結果、皇妃物語のスキンケア製品には顔面壊死を引き起こす化学物質が高濃度で含まれており、長期使用すると生命の危険もあることが判明しました。現在、刑事部が捜査を開始しています。」
馬場沙保里は目を見開いた。「そんなはずはありません!皇妃物語は古川姉さんの家に伝わる秘伝の処方で、自社工場もあって、昔は宮廷の妃たちが使っていたものです。人を害するようなものが入っているはずがありません!」
今でも馬場沙保里は皇妃物語に問題があるとは思っていなかった。
結局のところ、彼女はやっと稼ぎ始めたばかりだった。
もし皇妃物語に本当に問題があったら、彼らはどうすればいいのか?