やはり名分が正しくなければ言葉も正しくない。
鈴木赤玉はため息をつき、娘を見る目には心痛む思いが満ちていた。「絢、この何年間、辛い思いをさせてしまったね。」
「私が辛い思いをしたかどうかは二の次です。大事なのはお母さんとお父さんのことです!」大口絢は続けて言った。「私がお母さんなら、彼らのことなんか気にしません。早く死んでくれた方がいいです!」
この言葉は毒々しかったが、大口絢の心の中で最も正直な考えだった。
鈴木赤玉は即座に大口絢の口を押さえ、眉をひそめた。「あなた、自分が何を言っているのか分かっているの?」
大口絢は冷たく鼻を鳴らし、謝罪を拒んだ。「そうに決まっています。」
「じゃあ聞くけど、もし彼らに何かあったら、徳川家は誰のものになる?この大きな徳川家は誰のものに?」鈴木赤玉は大口絢をじっと見つめた。「私たち三人家族はどうなるの?」
鈴木赤玉が立て続けに投げかけた質問に、大口絢は呆然とした。
鈴木澪由と徳川勝は死んでもいい。
でも、今ではない。
しばらくして、彼女は続けた。「お母さんは彼女の姪で、他に後継ぎもいないんだから、もし何かあったら、両親と配偶者以外では、お母さんとお父さんが第一順位の相続人になります!」
結局、鈴木赤玉と鈴木澪由は血のつながった親族で、鈴木赤玉は扶養義務も果たしていた。
実の娘以上に実の娘のような関係だった。
徳川家を彼らに与えない理由があるだろうか?
以前、大口絢もこの問題を心配していた。結局、鈴木澪由は今まで遺書を作成しておらず、鈴木赤玉が相続人であることも公表していなかったからだ。しかし最近、彼女は特に民法の相続法を調べてみた。
突然、鈴木澪由が遺書を作成していなくても、鈴木赤玉は彼女の相続人になれることに気付いた。
鈴木赤玉は大口絢を見て、「あなたはこの件を単純に考えすぎよ。」
「どうしてですか?」大口絢は尋ねた。
鈴木赤玉は続けた。「あなたのおばあさんとおじいさんは公証所で、娘が見つかるまでの間に何か不測の事態が起きた場合、徳川家とすべての資産を無償で国に寄付すると公証しているの!」
だから、彼女が順当に徳川家を引き継ぐためには、正式な書類が必要だった。
しかし今まで正式な遺言を待っていても得られなかった。
そうでなければ、彼女もここまで我慢はしなかっただろう。