073:擁護_4

小林桂代は頷いて、娘の言うことにも一理あると思い、それ以上は何も言わなかったが、その夜はずっと寝返りを打って、あまりよく眠れなかった。

翌朝、小林桂代と大川素濃は一緒に会社へ向かった。

小林桂代がパンダのような目をしているのを見て、大川素濃は非常に驚いて、「まあ!お姉さん、昨夜よく眠れなかったの?」と尋ねた。

「うん、ちょっとね」と小林桂代は答えた。

大川素濃は好奇心を持って「何かあったの?」と聞いた。

「何でもないわ、たぶん年のせいでしょう」と小林桂代は言った。

大川素濃は軽く笑って、「お姉さん、何を言ってるの?」

まだ38歳なのに、年を取ったって?

そう言って、大川素濃は続けた。「明後日、車を買いに行こうと思ってるの。これからは二人で車で通勤しましょう」

「どのくらいの価格帯の車を考えてるの?」

大川素濃は答えた。「そんなに高くなくていいわ。200万円くらいので十分。ただの足代わりだし。お姉さんも運転免許を取ったほうがいいわ。これから商売も大きくなっていくし、運転できたほうが便利でしょう」

以前は小林桂代が字を読めなかったから仕方なかったけど、今は読めるようになったし、学科試験も心配ない。

「車...」小林桂代は少し戸惑って、「簡単に覚えられるかしら?」

「簡単よ」大川素濃は頷いて、「お姉さんは頭がいいから、1ヶ月もあれば免許が取れるわ」

「考えてみるわ」

彼女はまだそのことについて考えたことがなかった。

二人が歩きながら、この間、小林桂代は特に大川素濃の様子に注意を払い、彼女に異常がないことを確認してほっとした。

昨夜は考えすぎだったのかもしれない!

弟と弟の嫁は何も困ったことに遭遇していないのだろう。

――

西京にて。

徳川家に10日ほど滞在した山下おばあさんは、明日帰ることにした。

このことを知った鈴木澪由は眉をひそめて、「遥姉さん、せっかく来たのに、そんなに急いで帰る必要があるの?」

山下おばあさんは笑って言った。「あなたは普段も忙しいのに、この間ずっと私の相手をして、何もできなかったでしょう」

鈴木澪由は彼女とは違う。

彼女は暇人だが。

しかし鈴木澪由の肩には重い責任がのしかかっている。

この年老いた姉を引き止められないと分かり、鈴木澪由はしかたなく「じゃあ、赤玉に送らせましょう」と言った。