しばらくして。
二人は南通りに着いた。
二人の店長はすでに店に来て営業準備を整えていた。
この二人の店長の一人は王丸絹代、もう一人は佐藤芳子という。
二人とも最近採用された者で、五年間の販売経験があり、美人亭の熱心な顧客でもあった。仕事も真面目で責任感があったため、小林桂代は二人に月給一万元近くを支払っていた。
一般店員は五千元だった。
大川素濃と小林桂代が来るのを見て、王丸絹代はすぐに近寄ってきた。「小林さん、お客様がいらっしゃっています。」
「誰?」小林桂代は非常に興味を持った。
王丸絹代は言った:「おばあさまで、二階の休憩室にいらっしゃいます。」
おばあさま?
小林桂代は一瞬戸惑った後、笑顔で言った:「きっと金田おばさんだわ。」
大川素濃も山下おばあさんとは仲が良かった。「金田おばさんがいらしたの?私も会いに行くわ。」
二人は二階に上がった。
案の定。
来ていたのは山下おばあさんだった。
おばあさまは左手にミルクティー、右手に辛い菓子を持ち、とても楽しそうに食べていて、大川素濃と小林桂代が来たことにも気付かなかった。
小林桂代が彼女の前に来て、「金田おばさん」と声をかけるまで。
山下おばあさんはようやく辛い菓子とミルクティーを置いた。「桂代、碧!久しぶりね!」
「お久しぶりです」小林桂代は笑顔で言った:「西京からお帰りになったばかりですか?」
「そうよ」山下おばあさんは持ってきた物を取り出した。「これはあなたたち二人のために特別に持ってきた西京の特産品よ。」
中には菓子と北京ダックが入っていた。
さらに高級な阿膠もあり、すべて二人分だった。
「ありがとうございます、金田おばさん。西京まで私と姉のことを考えていてくださって。」大川素濃が言った。
山下おばあさんは大川素濃を見て、「あなたたちのことを考えないわけがないでしょう?正直言うと、あなたたちを見ていると、まるで自分の娘を見ているようなの。」
特に小林桂代は。
彼女は小林桂代に何か言いようのない親近感を感じていた。
大川素濃は興味深そうに尋ねた:「お嬢さまは遠くにお嫁に行かれたんですか?」
「遠くには行っていないの」この話題になると、山下おばあさんの表情が暗くなった。「遠くには行っていないけれど、もう二度と会うことはできないの。」