076:約束、衝撃!_5

だから、小林桂代がこのことを知っても、今まで通り小林強輝を実の弟として扱うだろう。

小林強輝は軽くため息をついた。

妻の言う通りだ。

どうあれ、姉には真実を知る権利がある。

これは小林桂代の人生だ。

彼は小林桂代の代わりに決めることはできない。

「わかった」小林強輝はタバコの煙を吐き出し、「君の言う通りにしよう」

夫がついに心の結び目を断ち切ったのを見て、大川素濃もとても嬉しかった。心に秘密を抱えていたため、この数日間、小林桂代の顔をまともに見ることができなかったのだ。

「じゃあ、明日お姉さんに話しに行くわ」

「待って」

大川素濃は呆れて、「また後悔したの?」

「いや、そうじゃない」小林強輝は吸い殻を灰皿に押し付けながら、「もうすぐ姉さんの誕生日だから、その日に話したいんだ」