075:目があっても玉を見分けられない!_2

「車を買うつもりなの?」と小林桂美は尋ねた。

小林桂代は笑いながら答えた。「状況次第ね。綾乃は先に家を買いたいって言ってるわ」

家を買う?

小林桂美は目を丸くして、「どこの物件を買うつもりなの?」

小林桂代は不動産のことはよく分からなかったが、「綾乃の話では、帝苑マンションを買いたいみたいよ」

帝苑マンション?

小林桂美は喉を鳴らした。

この母娘は本当に、一人は大口を叩き、もう一人はそれを広めるなんて。

小林桂代は帝苑マンションがどんな場所か知っているのだろうか?

あそこは青葉市の有名な高級住宅街なのよ。

帝苑マンションの部屋は全て大型フラットで、価格は1平方メートルあたり8万元もする。さらに重要なのは、最小でも150平方メートルからということ。

つまり一戸あたり最低でも1000万元以上するということ。

彼女自身でさえ帝苑マンションの購入は躊躇するのに。

小林綾乃ごときが?

しばらくして、小林桂美は続けた。「お姉さん、帝苑マンションが1平方メートルいくらするか知ってる?」

「知ってるわよ」小林桂代は頷いた。「確かに少し高いけど、今うちの美人亭の商売は本当に良いのよ。そうそう桂美、綾乃と協力してみない?ちょうど今、店舗を拡大したいって言ってるのよ」

小林桂代は、結局のところ小林桂美とは姉妹だと思った。

身内で収めた方がいい。

他人を儲けさせるくらいなら、妹を儲けさせた方がいい。

小林桂美は慌てて首を振った。「いいわ、いいわ。私にはそんな運はないわ」

小林桂美は美人亭がそんなに良い商売をしているとは信じられなかった。

もし本当に商売が良かったら、小林桂代が投資の話なんてしてこないはず。

考えれば分かることよ、あの店はもう持ちこたえられないのね。

だから私からお金を騙し取ろうとしているのよ。

本当に私がそんなに簡単に騙されると思ってるの!

妹がこんな態度を見せても、小林桂代はまだ諦めきれず、続けた。「桂美、本当に考え直さないの?」

小林桂美が今参加するならまだ間に合う。

これ以上遅くなると、小林桂代は綾乃が不機嫌になるのではないかと心配だった。

「本当に結構よ」小林桂美はバカじゃない。「お姉さん、碧と協力した方がいいわ!私はスーパーの経営で手一杯だから、そっちまで手が回らないわ」