075:目があっても玉を見分けられない!_4

数歩歩いたところで、松本楠敬が突然横から飛び出してきた。

渡辺麗希は驚いて、足を上げて彼を蹴った。「病気なの?」

松本楠敬は呆れて、「渡辺お嬢様はそんなに度胸がないの?」

渡辺麗希は相手にする気がなかった。

彼には彼女がいるのに、なぜ自分の前でじゃまをするのか分からなかった。

松本楠敬は彼女の後を追いながら、「ネットカフェから帰る途中でここを通りかかったんだ」

そう言いながら、松本楠敬は渡辺麗希の手に目を向けた。「それは何?」

「綾乃のお母さんがくれた辛口しいたけ牛肉味噌だよ」

ちょっとした親切でこんなに喜ぶなんて。

この子は本当に頭が悪い。

松本楠敬は眉をひそめて、「渡辺お嬢様、本当の話だけど、あなたの友達は良い人には見えないよ」

「誰が良い人じゃないって?」渡辺麗希は眉をひそめた。「松本楠敬、あなた神経病よ!」