077:恐ろしい実力、正体を明かす

安田振蔵も彼の二人の学生も、小林綾乃が間違った部屋に来たと思った。

あるいは。

彼女はここのウェイトレスだろう。

誰も彼女を「おじいさん」という言葉に結びつけなかった。

予約してある?

もしかして自分が間違った部屋に来てしまったのか?

そう聞いて、小林綾乃は一歩後ろに下がり、部屋番号を確認した。

間違いない。

L2の個室だ。

小林綾乃は前に立っている安田院長を見て、赤い唇を開いた。「安田院長ですか?」

「はい、そうです」安田振蔵は頷いた。

小林綾乃は続けて言った:「私は小林綾乃です」

小林なに?

小林五郎?

この瞬間、安田振蔵と二人の学生は幻聴を聞いたと思った。

ありえない。

絶対にありえない。

小林おじいさんがこんなに若いはずがない。

しかも、女の子?

安田振蔵が最初に反応を取り戻し、続けて言った:「あなたはおじいさんのお孫さんですね?」