079:徳川家の継承者_7

まして150万円もの金額なのに。

中年女性が続けて言った。「あなたの情報は確かなの?本当にそこは立ち退きになるの?」

もし間違っていたら、パンツ一枚も残らないほどの損失を被ることになる。

「絶対に確かだ」中年男性は目を細めて言った。「私の弟がどんな仕事をしているか忘れないでくれ。私たちが金持ちになれるかどうかは、この一発にかかっているんだ。聞いたところによると、今回の立ち退きは世帯人数で部屋を分配するらしい。うちは全部で8人いる。少なくとも8部屋はもらえるはずだ。それに経済補償金まで出るんだ!」

その言葉を聞いて、後ろにいたボディーガードのような若い男性二人が言った。「お父さん、それじゃあ僕たちも一人一部屋もらえるってことですか?」

中年男性はうなずいた。

これで二人の息子の結婚用の家も確保できる。