083:後悔が止まらない、グリーン茶女_8

坂本鈴は小林桂代にお金を送ろうとしていた。

小林桂代は言った。「坂本社長、スキンケア製品一式だけですから、どうせ私たちのブランドですし、お金を払うのは少し他人行儀ですね。友達になりましょう。」

友達が多ければ、道も多い。

小林桂代は相手の身分や地位を気にせずに友達になる。

小林綾乃の目から見ると、今の小林桂代は自信に満ち溢れ、知的な雰囲気を全身から漂わせていた。

以前の自信のない敏感で、人と話すときも大きな声を出せなかった人は、まるで一瞬で消えてしまったかのようだった。

小林綾乃は目を細め、このような小林桂代を見て、本当に嬉しかった。

坂本鈴は夢にも思わなかった美人亭の社長と友達になれるとは。「小林社長、ありがとうございます。」

「坂本社長、どういたしまして。」

物件の話が済んだ後、小林桂代は帰ると言い出した。

坂本鈴は外まで三人を見送りに出た。

白いシトロエンを見て、坂本鈴は思わず感嘆した。「今時のお金持ちはこんなに控えめなんですね。」

大川素濃がシトロエンを運転しているのを見て、最初坂本鈴は三人が共同出資の新規創業だと思っていた。

まさか彼女たちが美人亭の創業者だとは誰が想像できただろうか!

坂本鈴が自ら数人を見送りに出てきたのを見て、店内にいた上田月見は少し不思議に思い、思わず外に出て行き、ドア枠に寄りかかって、「坂本さん。」と呼んだ。

「上田さん、何かありますか?」坂本鈴は顔を上げて見た。

上田月見は続けて言った。「さっきの三人、あなたの物件を借りることになったんですか?」

「そうなんです。」この話題になると坂本鈴の顔は興奮で輝いていた。「彼女たちがどんな商売をしているか知っていますか?」

「スキンケア製品じゃないんですか?」上田月見は尋ねた。

坂本鈴は頷いた。「そうです。彼女たちはすごいんですよ!」

言い終わると、坂本鈴は少し気になった。というのも、二つの店舗は向かい合わせにあり、さっき小林綾乃たちが先に上田月見の店に行ったのを見ていたからだ。

上田月見が彼女たちがスキンケア製品を売っていることを知っているなら、なぜ物件を貸さなかったのだろう?

坂本鈴の興奮した様子を見て、上田月見は眉をひそめた。

自社ブランドを作っただけじゃないか。

見たことないものでも見たかのような態度!