084:全額で家を買う、実力で圧倒_6

大川素濃は頷いて、「このまま進めば、青葉市の長者になるのは間違いないわね」と言った。

青葉市の長者どころか。

和国一の長者になれると大川素濃は自信満々だった。

とにかく小林桂代の側について金を稼げばいいのだから。

小林桂美は呆れて、そんな途方もない話は聞いていられなかった。「おめでとうございます。素濃さん、この数日は古い家を売って引っ越しで忙しいでしょうね」と続けた。

「ええ」大川素濃は頷いて、「私も車を停めたら上がるわ」と言った。

小林桂美は城井沙織を連れて家の中へ入っていった。

階上に着くと、小林桂美は城井沙織に注意を促した。「沙織、あなたはお義母さんのような人間にはならないでね」

嘘ばかり!

まさに陽の当たらない下層民そのものだわ。

城井沙織は頷いた。

小林桂美は続けた。「それに、お姉さんと綾乃のような人間にもね。彼女たちは反面教師よ」