昔から美人は災いの元。
特に小林綾乃のような器量だけの女の子は。
ここまで話して、藤原巧は何かを思い出したような顔をして、「あっ!分かった!」
「何が分かったんですか?」秋山春樹は好奇心を持って尋ねた。
藤原巧は続けて言った:「大川素濃が私の前で自慢げに話していた理由が分かったわ!」
「なぜですか?」
藤原巧の目には皮肉な色が浮かんでいた。「他に何があるの?小林綾乃のために世間を騒がせているのよ!小林家にはお金がたくさんあると私たちに思わせて、そうすれば綾乃があなたに近づきやすくなるってわけ。」
小林桂美が青葉市に嫁いで成功したことで、小林家の者たちは希望と未来を見出し、今度は小林綾乃にも桂美と同じ道を歩ませようとしているのだ。
こういう人たちは本当に気持ち悪い。
自分で努力もせずに、いつも高い枝に手を伸ばそうとする。
鏡を見て自分がどんな程度の人間か確認すべきよ。
小林綾乃なんかが秋山春樹に釣り合うわけないじゃない?
夢見すぎ。
そう考えて、藤原巧は続けて言った:「後で古本を売りに行くのは私一人で行くわ。あなたは行かなくていいわ。」
彼女は小林綾乃のすべての幻想を断ち切りたかった。
綾乃に一片の希望も持たせてはいけない。
秋山春樹は頷いて、「はい、じゃあ私は家で本を読んでいます。」
後で綾乃が自分を見かけなかったら、きっとがっかりするだろうな?
息子が家で本を読むと聞いて、藤原巧の顔には満足げな表情が浮かんだ。
藤原巧が古本を持って階下に降りた時、山下おばあさんはすでに戻っていて、小林綾乃と話をしていた。老若二人の顔には穏やかな笑みが浮かんでおり、とても楽しそうに会話をしているのが分かった。
藤原巧は本を持ってきて、「綾乃、重さを量ってちょうだい。」
山下おばあさんは笑顔で言った:「私がやりましょう。」
しかし小林綾乃は山下おばあさんより先に地面の秤を取り上げ、「私がやります。本は少し重いので。」
「30斤です。」小林綾乃は続けて言った:「先ほどのと合わせて二十八元五角になります。」
山下おばあさんはすぐに財布からお金を数えて藤原巧に渡した。
藤原巧は山下おばあさんから渡された紙幣を受け取り、目を細めて言った:「おばあさん、今まで見かけたことないですね。」