087:天地が結びつけた二人_3

城井お母さんは頷いた。

小林桂美は目を細めた。桐山おばあさんの息子は桐山明涛といって、今年48歳くらいで、とても優秀な人物だった。家柄も良く、当時青葉市立大学の校花(キャンパスクイーン)と結婚し、一時は羽振りが良かった。

城井定邦は桐山明涛が美人と結婚したのを見て、自分も美人を探そうと思い、ちょうどその時、小林桂美は彼らのクラスの花形だった。

一方は美人が好き。

もう一方は地元の人と結婚したかった。

そうしているうちに二人は付き合うようになり、思いがけない妊娠をした。

でも、桐山明涛と小林桂代にはいったいどんな関係があるのだろう?

小林桂美は非常に不思議に思い、続けて尋ねた。「明涛兄さんはこの数年、麗国での生活はどうですか?今何人子供がいるんですか?」

「彼は十数年前に離婚してるわよ。子供なんていないわ」

離婚した!?

この言葉を聞いて、小林桂美は目を見開き、心の中で良くない考えが浮かんだ。

もしかしてお母さんは小林桂代と桐山明涛を引き合わせようとしているの?

そんなことはあり得ない!

まったくの無茶だわ。

小林桂美から見れば、小林桂代は田舎者というだけでなく、字も読めない。どうして桐山明涛に相応しいというの?

桐山明涛は離婚していても、まだまだ引く手あまたよ。

まず青葉市の地元民で、それに麗国のグリーンカードも持っている。

社会的地位も学識も、小林桂代と桐山明涛は全く異なる世界の人間だわ。

それに桐山家はとても裕福で、少なくとも城井家より金持ちよ。

そうでなければ、十年前に麗国に移民なんてできなかったはず。

18年前なら、桐山明涛は私でさえ手が届かない人だった。

小林桂代なんて何なの?

小林桂美は城井お母さんを見て、探るように尋ねた。「つまり...お母さんは姉と明涛兄さんを引き合わせようとしているんですか?」

「ええ」城井お母さんは頷いた。

この言葉を聞いて、小林桂美の目は更に大きく見開かれた。

これは、むやみに縁を結ぼうとしているんじゃない?

お母さんはいつも小林桂代のことを好ましく思っていなかったし、見下していたのに、どうして突然小林桂代を桐山明涛に紹介しようとするの?

この二人は全然お似合いじゃないわ。

この縁談には絶対に同意できない。