城井お母さんは頷いて、「うん、よく彼女に話してみて。どうしてもだめなら、桐山おばあさんと相談して、彼女が明涛をちゃんと世話できるなら、家を彼女に残すのも悪くないわ。結局、明晴は今その一軒の家を必要としていないし」と言った。
桐山明涛のこの状況で、城井お母さんは小林桂代が彼を気に入らないのではないかと心配していたが、家があれば話は違ってくる。
小林桂代のような人は、一生働いても青葉市で家を買うことはできないだろう。
だから、その家さえあれば、必ず小林桂代を引き止めることができる。
小林桂美は笑って言った。「安心してください、お母さん。その家がなくても、姉は必ず承諾するわ。だって明涛兄さんは地元の戸籍があるだけでなく、名門校の優秀な卒業生でもあるし、姉がこのことを知ったら、きっと喜ぶはずよ」