088：山下が嫉妬して、目論見が外れる_2

会場は直ちに静かになった。

馬場秀理は続けて言った。「まず一人目は渡辺麗希さん。小坂市から転校してきました。」

言葉が終わると、渡辺麗希がドアの外から入ってきた。

多くの新しい顔に向かって、彼女は少し緊張した様子で「みなさん、こんにちは。渡辺麗希です。小坂市から来ました...」

馬場秀理は優しい声で「どんな特技があるか、簡単に紹介してください。」

「ピアノと、琵琶も少しできます。これからの一年間、みなさんと一緒に頑張って、志望校に合格したいと思います。ありがとうございます。」

パチパチパチ！

言葉が終わると、会場から拍手が起こった。

「新しい女子生徒、可愛いじゃない。」

馬場秀理は空席を指さして「渡辺さん、そこに座ってください。」

渡辺麗希は下に向かって歩いていった。

次は松本楠敬だった。

松本楠敬はベテランで、ラップ調で簡単な自己紹介をした。見た目もまあまあだったので、すぐに女子生徒たちの悲鳴を引き起こした。

「松本楠敬くん、かっこいい！」

「成績も良いらしいよ。726点だって。」

渡辺麗希は席に座って、呆れて目を回した。「クジャク野郎、本当に目立ちたがり屋ね！」

馬場秀理は松本楠敬に席を指示し、そして笑顔で言った。「次は今日のクラスの最後の転校生です。きっとみなさんが最も期待している一人でしょう。」

みんなはそれほど期待していなかったが、馬場秀理のこの言葉を聞いて、すぐに期待し始めた。

「美人先生、なんでそんなに引っ張るの？」

「最後の転校生に何か特別なことがあるの？」

「超イケメンじゃないの？」

この言葉を聞いて、渡辺麗希は口角を上げた。彼女だけが最後の転校生が小林綾乃で、しかも親友だということを知っていた。

期待感を最高潮に高めた後、馬場秀理は続けて「私たちの三番目の転校生は小林綾乃さんです。みなさん、拍手で小林さんを歓迎しましょう。」

言葉が終わると、馬場秀理が最初に拍手し、まだ反応できていない生徒たちも拍手し始めた。

松本楠敬は渡辺麗希の隣に座り、眉をひそめて「なんで小林綾乃が入ってくるだけで先生が拍手させるんだよ？」

彼にはそんな待遇はなかった。

これを聞いて、渡辺麗希は拍手しながら、彼に向かって目を回して「あなたも一位を取れるなら同じようにしてもらえるわよ。」

一位？