087:天地が結びつけた二人_7

翌日の朝早く、橋本夢は山本世月にLINEを送り、フェニックスをプレゼントしてくれたことへの感謝を伝え、お茶に誘った。

山本世月は橋本夢からのLINEを見て、とても嬉しくなった。

橋本夢から最後に連絡があったのは一ヶ月前で、フェニックスが効果がなかったのかと思っていた。

まさか、これほど時間が経って、橋本夢が連絡をくれただけでなく、きちんとお礼を言いたいと言ってくれるとは。

山本世月は興奮を抑えきれず、食卓にいる渡辺麗希を抱きしめてキスをした。「ママの宝物!ママは本当にあなたが大好き!」

渡辺麗希は突然のキスに戸惑い、「ママ、どうしたの?」

山本世月は続けて言った:「北谷さんのことを覚えてる?」

渡辺麗希はうなずいた。

山本世月は笑顔で言った:「もうすぐ北谷さんはママの親友になるのよ!」

彼女は橋本夢が青葉市に来てから最初の親友だった。

どうやら。

渡辺家が西京に行く日も近いようだ。

山本世月はますます興奮して、続けて言った:「麗希、北谷さんがコンサートに誘ってくれたの。今日はママが学校に送れないわ。」

「うん。」渡辺麗希はうなずいた。

言い終わると、渡辺麗希は何かを思い出したように、「ママ、クラスのことは手配してくれた?」

「安心して、もう全部手配済みよ。」

「それならいいわ。行ってきて。」

山本世月は箸を置くと、身支度を始めた。

橋本夢とコンサートに行くのだから、もちろんきちんとしなければならない。音楽に詳しくないことを悟られてはいけない。

しばらくして。

渡辺麗希も通学かばんを背負って学校へ向かった。

小林綾乃と銀杏通りで会う約束をしていたので、執事に送ってもらう必要があった。

すぐに。

車は銀杏通りに停まった。

渡辺麗希は急いで安住マンションの方向へ歩いていった。

執事に送ってもらったことを小林綾乃に気づかれないように、彼女は1時間早めに安住マンションに到着し、直接小林綾乃の家へ向かった。

まだ早い時間だった。

小さな中庭は静かだった。

渡辺麗希が通学かばんを背負って中庭に入ると、向かってくる城井沙織と彼女の家族に出会った。

今日は始業式だった。