一方で。
城井定邦は車で桐山芝織と桐山明晴を送っていった。
車の中で。
桐山芝織は顔を曇らせ、「明晴、持参金を承諾するべきじゃなかったわ!」
誰も相手にしない中古品のくせに持参金なんか欲しがるなんて。
本当に厚かましい。
桐山明晴は母親の手を軽く叩き、笑いながら言った。「お母さん、これは子供を手に入れるためには餌が必要ってことよ。小林桂代が私たちの家に嫁いできたら、そのお金は結局私たちのものでしょう?彼女が逃げ出せるとでも?」
そう言いながらも、桐山芝織の心はまだすっきりしなかった。
彼女からすれば、小林桂代は持参金なしどころか、逆に持参金を持ってくるべきだと思っていた。
「彼女以外にも、お兄さんが結婚できる相手はいくらでもいるわ!」桐山芝織は冷ややかに鼻を鳴らした。