090:絶縁!_7

安田振蔵は前方を見つめ、「待ち続けよう」と言った。

安田振蔵のその様子を見て、王丸先生もそれ以上何も言えず、ただ待ち続けるしかなかった。

そのとき、車のヘッドライトがこちらに向かって照らされ、黄色いタクシーが病院の入り口に停まった。

安田振蔵は興奮して「きっと小林さんが来たんだ」と言った。

三人の医師は直ちに安田振蔵の後に続いて道路の端まで歩いていった。

次の瞬間。

細い影が車の後部座席から出てきた。

車のライトに逆らって。

顔がよく見えなかった。

しかし安田振蔵は一目で分かった。「小林さんだ!」

「小林さん、やっと来てくださいました!」安田振蔵は小林綾乃の側に歩み寄り、自然に彼女の手から医療バッグを受け取った。

小林綾乃は冷静な表情で「本来なら30分で着くはずでしたが、途中渋滞に巻き込まれました」と言った。

安田振蔵は続けて「小林さん、ご紹介します。こちらが当院の木下先生、王丸先生、大川先生です」と言った。

それを聞いて、木下先生と大川先生、王丸先生は揃って小林綾乃を見上げた。

その一目で。

三人の目は驚きに満ちていた。

他でもない。

目の前の少女があまりにも若すぎたからだ。

せいぜい十七、八歳くらいにしか見えない。

大川先生は心の中で考え込んだ。

この子は自分の娘と同じくらいの年齢に見える...

そんなに優れた医術を持っているのだろうか?

安田院長は病人を救うためなら何でもしようとしているのではないか?

心の中では疑問があったものの、院長が呼んできた人物なので、大川先生もそれを表に出すことはできず、依然として敬意を持って「小林さん、私は大川有亮です」と言った。

「小林さん、私は王丸含葉です」

「小林さん、私は木下剛史です」

小林綾乃は軽く頷いて応答し、その後安田院長の方を見て、直接本題に入った。「患者さんは今どこにいますか?」

「今、手術室にいます」安田院長は続けて「頭蓋内出血があり、今の状態は非常に不安定で、すぐに高度な開頭手術が必要です!」と言った。

それを聞いて、木下先生はすぐに診療記録を取り出し、「小林さん、これが患者さんの診療記録です」と言った。

小林綾乃は診療記録を受け取り、眉をしかめた。「患者さんが運ばれてきてもう2時間近く経っているんですか?」

明らかに。