「彼女はかなりの年配なんでしょうか?」
「さすが医学の大家だから、年齢はそれなりにいってるでしょうね」
これを聞いて、ずっと黙っていた城井芳子が思わず口を開いた。「あの、先輩方、おそらく皆さんの予想は違います」
「何が違うの?」他の医師たちは城井芳子の方を振り向いて尋ねた。
城井芳子は続けた。「昨夜の当直の時に、安田院長が小林さんを手術室の方へ案内しているのを見かけたんですが、彼女はそれほど年配ではなく、むしろとても若かったです」
この言葉を聞いて、オフィスは一気に騒然となった!
「マジか!城井、本当に小林さんを見たの?」
「はい」城井芳子は頷いた。
「知ってたら俺も昨夜当直したのに。城井、小林さんはどんな感じ?きれいだった?」
城井芳子は昨夜の光景を一生懸命思い出そうとした。横顔しか見えなかったものの、とても素敵な女性だということは分かった。「小林さんはとても綺麗で、背も高かったです。でも、言われなければ医学の大家だとは誰も気付かないと思います」