093:この上ない栄誉!_3

その言葉を言い終えると、小林桂代はバッグを持って小林桂美の横を通り過ぎ、歩き出した。

自分を探しに来たのではないのか?

小林桂美は小林桂代の後ろ姿を見つめ、信じられないという表情で眉をひそめた。

これは彼女が想像していたのとは違っていた。

なぜ小林桂代は自分に土下座しなかったのか?

小林桂代はきっと演技をしているに違いない!

それに、今は昼間で人通りが多いから、小林桂代が恥ずかしくて土下座できないのも当然だ。

待っていればいい!

すぐに小林桂代は花月マンションを訪ねて、自ら土下座して謝罪するはずだ。

でも。

その時になったら、もう遅いのだ。

彼女と小林桂代の間の問題は、土下座一つで解決できるものではない。

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青葉高校。

小林綾乃は机に伏せて昼休み中ずっと眠っていた。