093:この上ない栄誉!_4

松本楠敬は眉をひそめて、「どうしたの?」と聞いた。

女子学生は丹精込めて作ったプレゼントの箱を松本楠敬の手に押し付けて、「松本楠敬さん、私、私はあなたのことが好きです!」

松本楠敬の顔には不機嫌な表情が浮かんでいた。

このような出来事は多すぎて、彼も煩わしく感じていた。

「私は中村奈奈です。LINEを交換してもいいですか?」と言うと、女子学生は期待に満ちた表情で松本楠敬を見つめた。

松本楠敬は渡辺麗希の姿を見上げ、そして真っ赤な顔をした中村奈奈を見た。

ある人々は彼を執着して追いかける。

しかし、ある人は彼のことを全く見向きもしない!

まさに幸せの中にいながら幸せを知らない。

松本楠敬が長い間黙っているのを見て、中村奈奈は勇気を振り絞って続けた:「い、いいですか?」

「だめです。」この言葉を言い終えると、松本楠敬は非常に冷たく背を向けて立ち去った。

渡辺麗希は小林綾乃の腕を取り、好奇心を持って尋ねた:「綾乃、昨夜本当に手術をしたの?」

「うん。」小林綾乃は淡々とした口調で答えた。

「患者は人間?それともペットなの?」渡辺麗希は続けて尋ねた。

結局、ペットの手術も手術だから。

小林綾乃は目を細めて微笑んで、「もちろん人間よ。」

渡辺麗希は小林綾乃の熱狂的なファンで、小林綾乃の言葉を少しも疑わず、すぐに小林綾乃の腕を抱きしめて、「わあ!綾乃、すごすぎる!」

小林綾乃は淡々とした表情で、「まあまあ、世界第三位くらいかな。」

この言葉を聞いて、渡辺麗希はますます小林綾乃が実力を隠している達人だと感じた!

もしかしたら医学界でも有名な存在なのかもしれない。

「綾乃、私は本当に本当に本当にあなたを尊敬してるわ!」

二人の後ろを付いていく松本楠敬は完全に気分が悪くなった。

彼は小林綾乃ほど大げさに自慢する人を見たことがなかった!

それなのに。

麗希というこのバカは疑うことなく信じている。

廊下の反対側。

一橋啓子は秋山春樹と話をしていたが、その時、突然驚きの声が聞こえてきた。

彼女が声の方を見ると、群衆の中に小林綾乃の姿が見えた。

そしてその驚きの声はすべて小林綾乃についての話だった。

「どうしてこんなに美しい人がいるんだろう?」

「くそ!俺、追いかけたい!」