093:この上ない栄誉!_5

しかも、彼女は秋山春樹が小林綾乃を見る目つきが、彼が言うほど無関心ではないと感じていた。

だから。

彼女は秋山春樹が演技をしていると思った。彼は小林綾乃に関心がないふりをしているのだと。

それを聞いて、秋山春樹は眉をひそめた。「演技って何?好きじゃないものは好きじゃないんだよ。美人が好きとは限らないだろう。」

彼はその例外だった。

母が言っていた。

妻は必ずしも美人である必要はないが、自分のキャリアと家庭に役立つ人でなければならないと。

小林綾乃は。

見た目だけの人だ。

将来の妻は美人でなくてもいいが、能力は必須だ。

できれば内面も外見も優れている人がいい。

明らかに、小林綾乃は資格不足だ。

そう言いながら、秋山春樹は心の中で三つ数えた。

なぜなら、すぐに小林綾乃が近づいてきて挨拶するはずだから。