093:この上ない栄誉!_6

「もしもなんてないわ」一橋啓子は続けて言った。「小林美人はあなたのようなタイプは絶対に好きにならないわ」

秋山春樹は確かにかなりハンサムだが、本当のイケメンと比べるとまだまだ遠く及ばない。せいぜい爽やかな少年という程度だ。

小林綾乃が目が見えなくなでもしない限り、彼に目を向けるはずがない。

秋山春樹は気付かれないように眉をひそめた。

一橋啓子は一体何を言いたいのだろう?

小林綾乃が彼に密かな想いを寄せているという話を聞いて、なぜこんなに大きな反応をするのか?

「君は小林綾乃とそんなに親しいの?彼女がどんなタイプが好きか知ってるの?」秋山春樹は目を細めた。

「私は小林美人とそれほど親しくないけど、明らかにあなたたち二人は違う世界の人よ!」小林綾乃はスタイルも良く、成績も優秀で、気品もある。小林綾乃と比べれば、秋山春樹はただのダメ男に過ぎない。