094:命の恩人との再会_6

山下おばあさんも笑い、感情を必死に抑えて涙を落とさないようにしながら「いいわ」と言った。

小林桂代は続けて言った。「さあ、食事にしましょう。私の料理が金田おばさんの口に合うかどうか分かりませんが」

小林桂代は四品の料理と一つのスープを作った。

麻辣小龍蝦、金湯酸菜魚、ネギと豆腐の和え物、それに酸辣えのきたけ、そしてトマトと卵のスープ。

どれも普通の家庭料理だが、小林桂代が作ると色、香り、味すべてが揃った絶品になっていた。

見た目も素晴らしかった。

山下おばあさんは思わず喉を鳴らした。こんな家庭料理を食べるのは久しぶりだった。

「桂代さん、腕前がすごいわね!」山下おばあさんは思わず褒めた。

小林桂代は笑いながら「どうぞ座って召し上がってください」と言った。

山下おばあさんはダイニングテーブルに座り、レードルで酸菜魚を一杯すくった。黄金色のスープに薄い魚の切り身が包まれており、一口食べると酸味と辛味と旨味が広がり、魚の火加減も絶妙で、プリプリとした食感で、舌まで飲み込みたくなるほど美味しかった。

山下おばあさんはさらにネギと豆腐の和え物を箸で取った。一見地味な豆腐料理だが、独特の風味があり、とても爽やかだった。

「桂代さん、本当に美味しいわ!」山下おばあさんは小林桂代を見上げながら涙ぐんで言った。「辛いお菓子よりも美味しいわ!」

辛いお菓子は山下おばあさんの大好物だったが、今や小林桂代の料理がその座を奪ってしまった。それだけ小林桂代の腕前が素晴らしいということだ。

「本当ですか?」小林桂代は笑いながら尋ねた。

「本当よ、本当!」山下おばあさんは急いで頷いた。「桂代さん、どこかで特別に習ったの?」

「貧しい家の子は早くから家事を覚えるものです」両親を早くに亡くしたため、小林桂代は物心ついた時から洗濯や料理をしていた。

どんなことも慣れれば上手くなるものだ。

当時は条件が厳しく、小林桂代は単純なジャガイモでも様々な料理を作り出すことができた。

そう言って、小林桂代は続けた。「辛いお菓子がお好きなら、明日時間があれば作ってさしあげますよ」

これを聞いて、山下おばあさんは尊敬の眼差しで小林桂代を見つめた。「桂代さん、辛いお菓子も作れるの?」

小林桂代は軽く頷いた。「はい、子供の頃、弟や妹が好きだったので、作り方を覚えました」