097:賭け、優越感_2

「うん」志村文礼は頷いた。

一橋景吾は袋を開け、中から数着の服を取り出した。

黒いシャツ。

同じ色のワークパンツ。

見た目は悪くない。さすが有名デザイナーの手によるものだ。一橋景吾は少し興奮した様子で「三兄貴、服を試着してきます」と言った。

山下言野は軽く頷き、「どうぞ」と言った。

一橋景吾は奥に行って着替えた。

すぐに着替えを済ませて出てきた。

黒いシャツとワークパンツの組み合わせは、なかなかの出来栄えだった。

クールな感じが漂っていた。

一橋景吾はかなり派手なポーズを取り、「志村さん、どう?かっこいい?」

志村文礼は相手にしなかった。

一橋景吾は山下言野の側に寄った。

山下言野:「消えろ」

一橋景吾:「...」

うぅ...なぜいつも傷つくのは自分なのか?

しばらくして、一橋景吾は山下言野を見上げ、身につけている服を引っ張りながら「三兄貴、これから毎日この制服で仕事するんですか?」