097:賭け、優越感_3

そうでなければ。

小林綾乃はなぜずっと表情を変えないのだろう?

これ以外に。

白川露依は他の理由が思いつかなかった。

「まさか!」山下おばあさんは白川露依の言葉を即座に否定した。「私はあんなにうまく演技していたのに、公園で一緒に麻雀をしていたおばあさんたちまでもう私と遊んでくれなくなったのよ!」

小林綾乃と彼女の家族以外は。

小林綾乃は正に運命の孫嫁だった。

ここまで話して、山下おばあさんは白川露依を見つめながら続けた。「言っておくけど、綾乃を嫁に迎えられるなんて、うちの先祖の御利益よ!」

先祖の御利益?

白川露依は呆れた。

おばあさんの言い方だと、まるで山下言野が誰も欲しがらないものであるかのようだった。

白川露依は手近にあったおばあさんのコーラを自分のコップに注ぎながら、「お母さん、それって逆じゃないですか?」