101:秘密_3

彼はお年寄りが降りる駅に着いたと思った。

結局、仕事で一日疲れていたし、お年寄りが降りるなら、この席は確実に返してもらえるだろうと。

しかし予想外にも...

このお年寄りは、若くて元気な孫に席を譲ってしまった。

若者:「....」

この展開には目を疑った!

世の中にこんな人がいるなんて?

その孫もおかしな奴だ。

平然と座ってしまうなんて!

しかも当然のように。

若者は先ほど席を譲ったことを後悔した。

そして。

お年寄りは小林綾乃の横に立った。

若者がお年寄りに席を譲るのは当然だ!

しかし、彼女が小林綾乃の横に立っていても、小林綾乃は全く反応を示さなかった。

これには彼女も腹が立った。

瞬く間に怒りが込み上げてきた。

次の瞬間、老婆は意味ありげに言った:「最近の若者は本当にマナーが悪い、教養がない、お年寄りを見ても席を譲る気配もない!」