でもこの服は、重ね合わせた二つ編みと合わせてこそ、より雰囲気が出るのよ。
小林綾乃がこんな髪型を編めるなら、毎日髪を下ろしたままか適当にお団子にしたりしないのに。
学校はメイクアップアーティストを呼んだけど、今はみんなメイクをしていて、全然手が回らない状態だった。
彼女が鏡の前で眉をひそめていると、植田雅静が笑いながら言った。「二つ編みなんて何が難しいの?私はフィッシュボーンだってできるわよ!」
そのとき渡辺麗希も入ってきて、「私もできる私もできる!静香、二人で片側ずつ編んで、終わったら外で母に挨拶しに行こう、今外にいるから。」
「いいよ。」植田雅静はうなずいた。
3分もしないうちに、綺麗な二つ編みが小林綾乃の頭に現れた。
渡辺麗希は上から下まで小林綾乃を見て、最後に感嘆して言った。「綾乃、あなた本当に超超超超綺麗ね!菅原玉子よりも綺麗だわ!」
菅原玉子は芸能界で人気の女優で、民国時代の女学生を演じて一躍有名になった人だ。
菅原玉子のあの清純さは人々を魅了してやまない。
でも小林綾乃と比べると、菅原玉子はまだまだ遠く及ばない!
10組の他のクラスメイトが小林綾乃を見たとき、口を押さえて悲鳴を上げた。「すごい!小林美人は流石美人だね!どうしてこんなに綺麗なの!」
「小林美人と一緒に写真撮りたい。」
誰かがスマホを持って小林綾乃の側に来た。
一橋啓子も今日出し物があって、メイクアップアーティストのところに行こうとしたとき、小林綾乃が大勢の人に囲まれているのを見た。
「うわ!マジ綺麗!」一橋啓子は目を見開いた。
そう言って、一橋啓子は秋山春樹の袖を引っ張った。「見てよ!」
秋山春樹が顔を上げると、目には驚きの色が満ちていた。
一橋啓子は続けて言った。「秋山春樹、小林綾乃が菅原玉子より綺麗だと思わない?」
秋山春樹は心の中の好意を必死に抑えながら、表情を不思議そうにして言った。「菅原玉子はやっぱり芸能人だし、それにハイビジョンカメラは人を不細工に映すものだよ。小林綾乃がカメラに映ったら、絶対菅原玉子ほど綺麗じゃないと思う。素人がどうして菅原玉子と比べられるの?」
これを聞いて、一橋啓子は秋山春樹を見て、目を細めて言った。「あなた、前回のあの件でわざとそう言ってるんでしょ?」