第213章 石川賢明の憤懣

「それはいけません、橋本警官。彼女は重要な容疑者なので、必ず連行しなければなりません!」

橋本警官が杉本瑠璃を連行しないと聞いて、石川賢明は慌てふためいた。

橋本警官は振り向いて石川賢明を鋭い目で見つめ、強い口調で冷たく言った。「石川部長、これ以上執行を妨害するようなことを続けるなら、あなたを署に連行することになりますよ。あなたを襲った犯人は、明らかに杉本さんとは無関係です。もういいでしょう、この件は我々が処理します。余計な口出しは不要です」

羽田和彦が一回り現れて、ちょっと顔を出しただけで、この件は解決し、杉本瑠璃も署に行かずに済んだ。

石川賢明は橋本警官に署へ連行され、石川静香は少し怪我をしたため、ここには現れず病院に搬送されたという。

羽田和彦はこの件を全く気にかけていなかった。彼にとって、これは取るに足らないことだった。