第35章 第1回目の対決

一言で彼女を食べてしまうという言葉に、杉本瑠璃は心臓が激しく鼓動した。

同じ言葉でも三島悠羽の口から出ると、人を赤面させるだけだが、もし羽田和彦が言えば、瑠璃は間違いなく大きな白眼を向けただろう。

これが...憧れの男性と軽薄な男の違いだ。

とにかく、瑠璃から見れば、確かに三島悠羽に弄ばれたのだが、彼の非を見つけることはできなかった。

ほんの数言で、瑠璃は自分が不利な立場にいることに気付いた。三島悠羽は常に彼女の考えを読み取れるようで、それに慣れない感じがした。

本当に読心勝負をするのか?

ふふ、いいだろう、どちらが上手いか見てみよう!

瑠璃は心に決めると、もう慌てることなく、顔を上げて三島悠羽をまっすぐに見つめた。

読心?

それは彼女の得意分野ではないか?

しかし、一秒、二秒、三秒...数え切れないほどの時間が過ぎ、瑠璃は目が疲れてきたにもかかわらず、三島悠羽の心の中を読み取ることができなかった。