第36章 非凡な運命！

三島悠羽と彼女の読心の方法は違っていたのだ。

彼女は偶然に読心能力を手に入れただけだが、彼は間違いなく本物のプロフェッショナルだった。

なるほど、三島悠羽が彼女の心を見透かせるはずだ。彼は20歳前後に見えるが、学士、修士、博士、教授、研究専門家……

まさに天才中の天才だ！

今、杉本瑠璃は少し理解できた。なぜ師匠が三島悠羽に薬を届けたがらなかったのか。完全に、師匠は三島悠羽の前では裸のように感じ、常に見透かされていたからだ。

しかし、もし吉川先生が、自分の弟子も同じように彼を見透かせる人だと知ったら、後悔の涙を流すかもしれない。

「つまり、師匠の薬では、あなたの病気を治せないということですね。」

以前、杉本瑠璃は三島悠羽を非協力的な患者だと思い、師匠を疑っていた。今では分かった。三島悠羽が非協力的なのではなく、師匠の薬が本当に彼の病気を根本的に治せないのだ。

このような妖怪のように賢い人を診療するのは、本当に何も隠せない。

三島悠羽の表情は淡々としていて、漆黒の瞳はさやかな光を放っていた。「そもそも薬では治せない。無駄な努力をする必要はない。」

杉本瑠璃は眉をひそめ、生死を超越したような淡然とした三島悠羽を見つめた。心が針で軽く刺されたような、言い表せない違和感を覚えた。

「では、なぜ師匠に治療を求めたのですか？」

これは矛盾していないか？

三島悠羽はソファに座った。このソファは彼のために特別に用意されたようで、書斎の雰囲気とは全く合っていなかった。

「たぶん……一縷の望みにすがりたかったのかもしれない。誰にも分からないけれど……」

羽のように軽い声で、人の心をくすぐるような、その淡々とした口調に、少し心が痛んだ。

杉本瑠璃は、こんなに冷淡な自分が、誰かの軽やかな一言で心を痛めるとは思ってもみなかった。おそらく、惜しむ気持ちからだろう。

このような神のような存在の男性が、薬では治せない。まるで天が彼に仕掛けた悪い冗談のようだ。

一瞬、杉本瑠璃は言葉を失い、手の中の薬草を見て、もう三島悠羽に飲ませる必要はないと感じた。

三島悠羽のその驚くべき察知能力で、きっと師匠の微表情から、これらの薬草が彼の病気を根本的に治せないこと、ただの慰めに過ぎないことを知っていたのだろう。

「失礼ですが、どんな病気なのですか？」