第34章 初めての出会い!

杉本瑠璃が堂々と招かれて中に入り、自分は門前払いを食らったことに、羽田和彦は風に吹かれたような混乱を感じた。

あまりにも理不尽だ!

好奇心に駆られ、杉本瑠璃が三島悠羽を訪ねた理由と、二人の関係が気になって仕方がなかった。

憎たらしい三島悠羽め、杉本瑠璃は中に入れて、自分は入れないなんて。

そう考えると、羽田和彦は全身が不快で、とても腹が立った。

別荘の中で、杉本瑠璃は歩いていくと、年配の執事しか見かけなかった。執事は謙虚で礼儀正しく、心地よい印象を与えた。

「杉本さん、こちらへどうぞ」

杉本瑠璃は執事について歩きながら、薬草堂でのあの一瞬の出会いが、この三島様だったことを知った。

三島様の顔ははっきりと見えなかったが、執事の姿ははっきりと覚えていた。あの日、三島様の車椅子を押していた人物だった。