杉本瑠璃は躊躇することなく、三島悠羽の治療を決意したからには、彼との接触を恐れる必要はないと考えた。
確かに、三島悠羽は底知れないほど深い思慮の持ち主で、何を考えているのか見抜けないほど恐ろしい存在だった。しかし、杉本瑠璃は彼を恐れてはいなかった。彼女の転生の秘密が露見しない限り、他のことは恐れるに値しないと思っていた。
杉本瑠璃は三島悠羽の後ろに回り、自然な様子で車椅子を押し始めた。その時、彼女は三島悠羽が本当に軽く、全体的にやせ細っていることに気づいた。
杉本瑠璃の一連の動作があまりにも手際よかったため、彼女が三島悠羽を薬草堂から押し出した時の吉川先生の驚いた表情に気づかなかった。
吉川先生は深いため息をつき、朝日執事に向かって疑問げに尋ねた。「あの子は潔癖症じゃなかったのか?」