第41章 何か企んでいるの?

杉本瑠璃は躊躇することなく、三島悠羽の治療を決意したからには、彼との接触を恐れる必要はないと考えた。

確かに、三島悠羽は底知れないほど深い思慮の持ち主で、何を考えているのか見抜けないほど恐ろしい存在だった。しかし、杉本瑠璃は彼を恐れてはいなかった。彼女の転生の秘密が露見しない限り、他のことは恐れるに値しないと思っていた。

杉本瑠璃は三島悠羽の後ろに回り、自然な様子で車椅子を押し始めた。その時、彼女は三島悠羽が本当に軽く、全体的にやせ細っていることに気づいた。

杉本瑠璃の一連の動作があまりにも手際よかったため、彼女が三島悠羽を薬草堂から押し出した時の吉川先生の驚いた表情に気づかなかった。

吉川先生は深いため息をつき、朝日執事に向かって疑問げに尋ねた。「あの子は潔癖症じゃなかったのか?」

朝日執事は首を振り、自分にも理由が分からないことを示した。

三島悠羽は重度の潔癖症で、車椅子も勝手に触らせない。朝日執事でさえ、特殊な素材の手袋をつけてからでないと車椅子を押せなかった。

しかし先ほど、もし彼の目が間違っていなければ、彼の小さな弟子はそのまま直接押して出て行ったように見えた。

潔癖症はどうしたというのだ!

彼はまだ覚えている。毎回三島悠羽の脈を診た後、まるで彼の手に細菌が付いているかのように、特製の消毒用ハンカチで何度も何度も拭いていたことを。

最初、吉川先生はそれを受け入れがたく感じていたが、やがて慣れてきた。

しかし今日、杉本瑠璃があんなにも簡単に押し出していくのを見て、吉川先生は再び落ち着かなくなった。少し...妬ましい感じがした。

そう、その通り、妬ましい感じだった。

一方、杉本瑠璃が三島悠羽を薬草堂から押し出すと、上から降り注ぐ陽光が暖かな感じを与えていた。

杉本瑠璃には気づかなかったが、車椅子に座る三島悠羽は笑みを収め、全体の雰囲気が大きく変化していた。目尻が少し下がり、元々の整った容貌が崩れたかのように見えた。

もし杉本瑠璃がそれを見たら、きっと驚嘆したことだろう。このような表情の操り方は、誰にでもできるものではない。

気配を抑えた三島悠羽は、ただ少しかっこいい程度に見え、以前のような目を見張るような美しさはなくなっていた。車椅子に座っていることも相まって、彼に向けられる視線は大幅に減っていた。