第40章 三島様が来た

杉本瑠璃はすでに自分の才能について考えていた。この頃、彼女は吉川先生から多くの医学知識を学び、数多くの医学書や古文書を読み、さらには人々の脈を診るようにもなっていた。

吉川先生の指導のもと、杉本瑠璃の医術は飛躍的に進歩し、吉川先生でさえ舌を巻くほどで、杉本瑠璃を見る目には愛情と悔しさが混ざっていた。

愛情は杉本瑠璃の才能に対するもので、悔しさは自分がもっと早く杉本瑠璃に出会えなかったことに対するものだった。

杉本瑠璃が患者の脈を診て処方箋を書き、吉川先生から高い評価を得たとき、薬草堂の扉が開いた。

ゴロゴロという音は、車椅子が地面を転がる音だった。

杉本瑠璃が予想もしなかったことに、しばらく会っていなかった三島悠羽がここに現れた。

三島悠羽が入ってくるのを見て、吉川先生は目を光らせ、髭をなでながら、「悠羽くん、君はここに来るのが一番嫌いだったはずだが、前回来たのは源様に強制されてだったな。今日は自ら来るとは、本当に珍しいことだ」と言った。

吉川先生が言及した前回とは、杉本瑠璃が薬草堂の入り口で三島悠羽の横顔を見かけた時のことだった。

三島悠羽は落ち着いて微笑み、その眉目には清らかさと暖かみが満ちていた。

幸いにもこの時、患者たちは皆帰っており、薬草堂には人があまりいなかった。さもなければ、大きな騒ぎになっていただろう。

この優雅で気品のある姿、その魅力的な眼差しは、間違いなく人々を魅了するものだった。

幸い吉川先生は年老いた老人で、三島悠羽を何度も見ていて慣れており、杉本瑠璃も以前から三島悠羽の美しさと魅力を知っていて心の準備ができていたため、この二人は普通に振る舞うことができた。

「ははは、吉川先生は冗談を言っておられます」

一言で、そっけなく、語気も表情も、吉川先生の言葉に含まれた不満や冗談めいた調子を聞き流すかのようだった。

吉川先生は自分の拳が綿を打つように、ふわふわとして気持ち悪い感じがした。

「ふん、口先だけは相変わらず達者だな。最近は体調が良さそうだ」

吉川先生はぶつぶつと言いながらも、自ら近寄って三島悠羽の脈を診ようとした。

しかし予想外にも、三島悠羽は自然に手を引っ込め、やや蒼白い唇を少し上げて、「吉川先生はお忘れのようですが、私の専属の医師は既に別におります」と言った。