杉本瑠璃はすでに自分の才能について考えていた。この頃、彼女は吉川先生から多くの医学知識を学び、数多くの医学書や古文書を読み、さらには人々の脈を診るようにもなっていた。
吉川先生の指導のもと、杉本瑠璃の医術は飛躍的に進歩し、吉川先生でさえ舌を巻くほどで、杉本瑠璃を見る目には愛情と悔しさが混ざっていた。
愛情は杉本瑠璃の才能に対するもので、悔しさは自分がもっと早く杉本瑠璃に出会えなかったことに対するものだった。
杉本瑠璃が患者の脈を診て処方箋を書き、吉川先生から高い評価を得たとき、薬草堂の扉が開いた。
ゴロゴロという音は、車椅子が地面を転がる音だった。
杉本瑠璃が予想もしなかったことに、しばらく会っていなかった三島悠羽がここに現れた。
三島悠羽が入ってくるのを見て、吉川先生は目を光らせ、髭をなでながら、「悠羽くん、君はここに来るのが一番嫌いだったはずだが、前回来たのは源様に強制されてだったな。今日は自ら来るとは、本当に珍しいことだ」と言った。