第66章 傲慢だ、お前に何ができる!

山田ひろしは来客を見て、顔色が一気に曇り、語気も強くなった。「山本颯真、お前か!」

山本颯真の後ろには大勢の人が付いていて、持っているカードはほとんどが青色で、一つだけ赤色のものがあった。かなりの威勢を示していて、確かに山田ひろしの側よりもずっと強そうだった。

山本颯真は狡猾そうな笑みを浮かべていた。一目で悪徳商人とわかる、とても不自然な笑顔だった。

「山田社長、ここで私に会うとは驚いているようですね。同業者同士、出会うのは当然のことじゃありませんか?」

山本颯真は勝ち誇ったような笑みを浮かべたまま、「ああ、紹介するのを忘れていました。この方々は私が原石の選定を手伝ってもらうために招いた同業者たちです」

そう言って、まるで思い出したかのように頭を叩いた。「あら、私の頭ときたら。皆さんはもう知り合いでしたね。私が紹介する必要なんてありませんでした。余計なことをしてしまいました」

山田ひろしは山本颯真の後ろにいる人々を見て、完全に怒り出した。

「お前たち!用事があって来られないと言っていたじゃないか。はっ、わかったぞ。お前たちは山本颯真に高額で引き抜かれたんだな。まあいい、お前たちに道義心があると思っていた私が馬鹿だった。見る目がなかったということだ」

なんと山本颯真が連れてきた人々は、山田ひろしから引き抜いた従業員だけでなく、山田ひろしが本来招いていた外部の専門家たちだった。

杉本瑠璃が山田ひろしの招いた他の人々を見かけなかった理由がこれで分かった。結局、全員が山本颯真に高額で引き抜かれ、ここに連れてこられて山田ひろしに見せつけられていたのだ。

これは完全な意図的な行為だった。この山本颯真は、確かに陰険な男だ。

他人の従業員を引き抜くだけでも非道徳的なのに、今度は引き抜いた従業員と招待していた外部の専門家を連れてきて山田ひろしを刺激する。こんな人間は、人格に問題がある。

「山田社長、そんなに興奮なさらないでください。人は高みを目指し、水は低きに流れる。彼らも先を見据えた人たちで、どこが自分たちの行き着く先かわかっているんです。山田社長は、もう業界に入ったばかりの素人しか雇えないでしょうね」