第79章 奇妙な依頼

山口小百合は恥ずかしそうに微笑んで、「お部屋で話してもいいですか、恩人様?」と尋ねました。

そんな可愛らしい山口小百合を前に、杉本瑠璃は断れるはずもなく、体を横に寄せると、山口小百合は部屋に入ってきました。

山口小百合は入室すると、部屋を見回してからソファに座り、すっかりくつろいでいる様子でした。

「私たちの部屋のレイアウトって似てるんですね。でも私の部屋の方が少し広いみたいです」

杉本瑠璃は山口小百合を一瞥してから、自然に彼女の向かいに座り、お茶を差し出しました。

「山口さん、こんな遅くに何かご用でしょうか?」

山口小百合はお茶を一口飲んでから、カップをテーブルに置き、「特に用事はないんです。ただ恩人様にお会いしたくて、それと、お礼を言いたくて」

杉本瑠璃は丁寧に微笑むだけでした。「些細なことです。気にしないでください。大したことはしていませんから」