山本颯真を意図的に苦しめているのか、それとも全てが偶然なのか分からない。
杉本瑠璃の翡翠は、次々と開かれていき、驚くべきことに、20個目の翡翠から、一つ一つが前のものより良質で、より価値が高くなっていった。
さらに杉本瑠璃は再び三色翡翠を出し、37個目に至って、ついに山本颯真に致命的な打撃を与えた。
「古坑のガラス種だ!」
原石切りの人が大声で叫び、異常な興奮状態で、会場は少しうるさかったが、皆にはっきりと聞こえた。
瞬時に、全員が静かになった。喧騒から極度の静寂へ、この対比で場の雰囲気は一気に緊張した。
「いや!そんなはずない、どうして古坑のガラス種なんて!」
最初に叫び声を上げたのは山本颯真で、山田ひろしを押しのけて駆け寄り、原石を食い入るように見つめ、確かに古坑のガラス種だと確認すると、その場で凍りついた。