第83章 死んでも悔いなし!

山本颯真を意図的に苦しめているのか、それとも全てが偶然なのか分からない。

杉本瑠璃の翡翠は、次々と開かれていき、驚くべきことに、20個目の翡翠から、一つ一つが前のものより良質で、より価値が高くなっていった。

さらに杉本瑠璃は再び三色翡翠を出し、37個目に至って、ついに山本颯真に致命的な打撃を与えた。

「古坑のガラス種だ!」

原石切りの人が大声で叫び、異常な興奮状態で、会場は少しうるさかったが、皆にはっきりと聞こえた。

瞬時に、全員が静かになった。喧騒から極度の静寂へ、この対比で場の雰囲気は一気に緊張した。

「いや!そんなはずない、どうして古坑のガラス種なんて!」

最初に叫び声を上げたのは山本颯真で、山田ひろしを押しのけて駆け寄り、原石を食い入るように見つめ、確かに古坑のガラス種だと確認すると、その場で凍りついた。

今や状況は彼にとってますます不利になっていた。もし本当に杉本瑠璃が古坑のガラス種を出したのなら、彼女の勝算は彼を上回る可能性があった。

どうすれば。

今どうすれば良いのか。

「切り開け、早く!お前の運がそんなに良いはずがない!」

山本颯真は原石を指差しながら、低い声で言った。

原石切りの人は山本颯真の言葉を聞かず、杉本瑠璃の方を見た。杉本瑠璃がうなずいてから、やっと切り始めた。

すぐに切り開かれた。

古坑のガラス種エンペラーグリーン!

大きさは山本颯真の古坑のガラス種とほぼ同じで、同じくエンペラーグリーンだった。杉本瑠璃が出した翡翠は、今のところ数は彼より少ないものの、品質は非常に良かった。

高氷種が山ほどあり、さらに赤翡翠や三色翡翠といった極めて珍しい翡翠まであった。今回の古坑のガラス種エンペラーグリーンを加えると、ほぼ彼と互角だった。

もし彼女の残りの原石からさらに翡翠が出てきたら、彼は本当に負けてしまうかもしれない。

彼をさらに刺激するためなのか、古坑のガラス種エンペラーグリーンが出た直後、隣で人々が叫び始めた。

「ま...また!」

原石切りの人が途切れ途切れに言い、周りの人々をやきもきさせた。

「またって何だよ、はっきり言えよ!」

原石切りの人は唾を飲み込んでから、興奮して言った。「古坑のガラス種だ!また古坑のガラス種が出た!」

轟!

群衆の中で爆発が起きたかのようだった。