第82章 連続19個を開く！

案の定、杉本瑠璃は予想していたかのように、その言葉を言い終えると、原石切りの作業員たちは血が騒ぐかのように、歓声を上げ続けた。

「翡翠が出た！」

「翡翠が出たぞ！」

「私も...私も翡翠が出ました。」

「くそ、俺のところも翡翠が出たぞ。」

まるで事前に打ち合わせていたかのように、最初の人が叫んだ後、続けて四人が一斉に声を上げた。

こんなに立て続けに翡翠が出るなんて、皆を驚かせた。今これは一体どういう状況なのか？

もしかして杉本瑠璃と山田ひろしの方が逆転するのか？

もう結果は決まったと思っていた人々の心に、再び期待が芽生え、奇跡を見たいという興奮が湧き上がった。

山本颯真は不吉な予感を感じ、唇を引き締め、杉本瑠璃側の翡翠を出した人々を凝視した。

「高氷種だ。なんと連続で四個も高氷種とは、この確率は低すぎるだろう！」

山田ひろしは驚きのあまり声が裏返り、目を見開いて、自分の目を疑った。

原石から翡翠が出る確率自体が低いのに、今回は連続で四個も翡翠が出て、しかもすべてが貴重な高氷種とは、まるでジェットコースターに乗っているような心臓の鼓動だった。

杉本律人も目を見開き、両手を強く握りしめ、緊張した様子だった。

「ただの偶然だ。本当に逆転できると思っているのか？ふん、私との差は大きすぎる！」

山本颯真は自分を慰めながら、山田ひろしの興奮を抑えようとした。彼は杉本瑠璃がそこまで神がかっているとは信じられなかった。

「赤だ！赤が出た！」

プッ！

誰かが遠慮なく笑い出した。皆が変な方向に考えてしまい、原石切りの作業員も言い終わった後で気まずそうに、少し恥ずかしそうにした。

赤が出たって何だ、女性じゃないんだから、生理が来たわけでもあるまい。

「違います、赤翡翠です！赤翡翠が出ました！」

原石切りの作業員は慌てて説明を加え、やっと皆が理解した。

赤翡翠？

この杉本瑠璃の運の良さは凄まじい。数日前に紫翡翠を出し、今日はまた赤翡翠を出すとは。

このような色のある翡翠は、女性に特に人気があり、時には法外な値段で取引されることもあるほどだ。

ここに来て、山本颯真はついに落ち着きを失い、赤翡翠の方へ数歩駆け寄り、本当に赤翡翠なのか確認しようとした。

原石の中から溢れ出る赤い輝きを目にした時、彼の顔色は一段と暗くなり、眉間にしわを寄せた。