案の定、鈴木智也の方から緑色が磨き出され、原石切りの作業員は急いで水をかけ、窓の部分を布で拭いた。
みずみずしく透き通った翠緑色が一気に現れ、とても美しく見えた。
「氷種だ!」
鈴木智也は感嘆の声を上げた。彼は生涯で多くの翡翠を選んできたが、氷種は一度しか選んだことがなく、それも数年前のことだった。
翡翠の種類は、実に多岐にわたる。
最高級なのは古坑のガラス種で、次いで高氷種、そして氷種、水種、豆種、油青種などがある。
もちろん、これらの種類だけで翡翠の価値が決まるわけではない。
高氷種の翡翠でも、内部に綿くずや亀裂があれば、透明度の高い氷種や水種より価値が下がる。
また、産出量が少なく希少な翡翠は非常に高価である。以前杉本瑠璃が解いた三色翡翠のように、縁起が良く、非常に珍しい翡翠は価格も非常に高い。
そのため、翡翠の価値は一概に判断することが難しく、価格も変動が激しい。
鈴木智也はこの窓が氷種だと分かり、興奮で体が震えるのを抑えられなかった。
あの二百万円は、彼のものになる。
「早く、続けて磨いて、この翡翠を全部解き出せ。」
鈴木智也は原石切りの作業員に指示を出し、残りの原石を素早く解かせた。
そして二人の取り巻きは、今や鈴木智也に対してより一層献身的になっていた。
「智也さん、さすがですね。本当に目が利きますよ。私もあなたから多くを学ばないと!まさに達人、絶対的な達人です!」
「そうですね、私も智也さんから学ばせていただかないと。智也さん、汗を拭きましょう。今日は暑いですし、中も少し蒸し暑いですから。お水どうぞ、キャップを開けますよ。」
瞬く間に、鈴木智也はこの二人から褒め言葉を浴び、世話を焼かれ、非常に満足げだった。
鈴木智也は上機嫌で笑い、杉本瑠璃を見る時の高慢で傲慢な眼差しを、少しも隠そうとしなかった。
なぜなら彼は既に、自分が勝者で、杉本瑠璃が惨めな敗者だと知っていたからだ。
ついに杉本瑠璃に実力とは何かを見せつけることができた。これこそが絶対的な実力であり、杉本瑠璃には彼に太刀打ちできない。
ふん、新人は所詮新人、取るに足らない。
鈴木智也が心の中で杉本瑠璃を軽蔑している時、かつて自分も新人だったことを完全に忘れていた。