第90章 露骨な挑発

桐生誠一は冷たい目で安藤颯を見て、不機嫌そうに言った。「お前みたいなイケメンでも来られるんだから、俺たちみたいな優秀な学生が来られないわけがないだろう」

斎藤きくこは安藤颯の過去の行いを知り、当然彼に良い顔をしなかった。さらに先ほどの安藤颯の言葉に、斎藤きくこは不快感を覚えた。

「あなたって面白い人ね。ここに来られるのは紅葉学園の決定だからでしょう。まさか紅葉学園の決定を疑っているの?いいわよ、みんながいる今、校長先生にあなたが決定に疑問を持っていることを伝えましょうか?」

安藤颯の表情は一瞬で暗くなった。いつもの笑顔も消え、自分の容姿が斎藤きくこの前では通用しないことに気づいた。

「まったく理不尽だ」

この状況で、安藤颯は本当にきくこが校長のところまで行くのではないかと心配になった。こんな早い段階で目立ちたくなかったからだ。そうなれば自分が苦しむことになる。