警察は驚いて固まってしまった。山本宝飾のオーナーが変わったというのか?
そんな話は聞いていなかったはずだ。
しかし、杉本悠斗の怪我はかなり深刻で、明らかに私刑を受けたような傷跡だった。
「これは……」
今の主な問題は、この山本宝飾が山本家のものなのか、それとも杉本家のものなのかを明らかにすることだった。
もし本当に杉本家のものなら、杉本家の方々が翡翠を手に取って眺めることも問題ないが、もし山本家のものなら、杉本悠斗は強盗を働いたことになる。
「とんでもない戯言だ!山本宝飾は当然我が山本家のものだ。言葉に気をつけろ。さもないと、お前の口を引き裂いてやるぞ!」
山本颯真は内心不安だった。確かに彼は翡翠大会で山本宝飾を杉本瑠璃に負けてしまったのだ。翡翠や玉石は全て杉本瑠璃に奪われてしまった。Y市に戻ってきてからは、杉本瑠璃には山本宝飾に手を出す勇気はないだろうと思っていた。そしてこの間、杉本瑠璃は何の動きも見せなかったので、諦めたのだろうと考えていた。