第113話 また情報がリークされた

警察は驚いて固まってしまった。山本宝飾のオーナーが変わったというのか?

そんな話は聞いていなかったはずだ。

しかし、杉本悠斗の怪我はかなり深刻で、明らかに私刑を受けたような傷跡だった。

「これは……」

今の主な問題は、この山本宝飾が山本家のものなのか、それとも杉本家のものなのかを明らかにすることだった。

もし本当に杉本家のものなら、杉本家の方々が翡翠を手に取って眺めることも問題ないが、もし山本家のものなら、杉本悠斗は強盗を働いたことになる。

「とんでもない戯言だ!山本宝飾は当然我が山本家のものだ。言葉に気をつけろ。さもないと、お前の口を引き裂いてやるぞ!」

山本颯真は内心不安だった。確かに彼は翡翠大会で山本宝飾を杉本瑠璃に負けてしまったのだ。翡翠や玉石は全て杉本瑠璃に奪われてしまった。Y市に戻ってきてからは、杉本瑠璃には山本宝飾に手を出す勇気はないだろうと思っていた。そしてこの間、杉本瑠璃は何の動きも見せなかったので、諦めたのだろうと考えていた。

しかし、まさか今日ここで、彼女がこの件を蒸し返し、山本宝飾を奪おうとするとは思ってもみなかった!

彼が今日ここに来たのは、以前の損失を取り戻すためであって、さらなる損失を被るつもりは毛頭なかった。

「山本さん、言葉遣いに気をつけてください。調査が完了するまでは、真相を明らかにするために皆様のご協力が必要です。それと、彼の怪我はあなたが負わせたのですか?」

山本家は並の家柄ではないが、同様に杉本瑠璃も並の人物ではない。

前回、杉本瑠璃と三島様が一緒に誘拐された事件以来、彼らは杉本瑠璃と三島様の間に何かあるのではないかと推測していた。当然、今後は慎重に事を運ばなければならない。杉本瑠璃を怒らせて、三島様の怒りを買うことは避けたかった。

杉本悠斗は隙を見つけては割り込む才能が並外れていた。山本颯真を指差しながら、ヒステリックに叫んだ。「そうだ、そうだ。まさに彼です。警察さん、彼が私を殴り、手足まで切り落とそうとしたんです。」

警察の表情はさらに厳しくなった。「山本さん、この人を殴ったのはあなたですか?」

彼らは当然、一方の言い分だけを聞くわけにはいかず、山本颯真の話も聞く必要があった。