興味深いことに、残りの人々の中で、桐生誠一側の討論スキットをする人々以外に、芸術学部の男子学生が一人、仲間外れにされていた。
その男子学生は他でもない、入学式の日に音楽の才能を見せた鈴木ゆうすけだった。鈴木ゆうすけは明らかに居心地が悪そうだった。結局、彼も芸術学部の学生なのだから、芸術学部の出し物には当然参加するべきはずだった。
このことから、鈴木ゆうすけは安藤颯に排除されたことは明らかだった。
仕方がない、芸術学部の新入生の男子は彼ら二人だけで、鈴木ゆうすけは音楽の才能が高く、容姿も整っているが、残念ながら人付き合いが苦手で、そのため安藤颯にこのように排除されてしまったのだ。
活動室の中の新入生は三つのグループに分かれていた。一つは安藤颯を中心とした演劇グループ、もう一つは桐生誠一を中心とした討論スキットグループ、そして最後は、中央に一人で立っている、明らかに浮いている鈴木ゆうすけだった。
鈴木ゆうすけは人付き合いが苦手で、桐生誠一が誘っても、討論スキットには参加できないと分かっていた。自分の弁論の才能が足りないことを知っていたからだ。
しかも、学生会は三つの出し物を要求しており、今の人員配置はちょうど三グループになっていた。
つまり、鈴木ゆうすけは一人で一つの出し物をしなければならないということだ。
実際、鈴木ゆうすけにとって、一人で出し物をするのは簡単なことだった。彼はたくさんの楽器を演奏できるので、どれか一つを選んで演奏すればよかった。
しかし、学校の規則では、必ずチームで協力しなければならず、ソロパフォーマンスは禁止されていた。鈴木ゆうすけは困ってしまった。
もともと言葉が苦手なうえに、このような状況で、鈴木ゆうすけの顔は真っ赤になった。
「私があなたと組みましょうか?楽器演奏で、どう?」
鈴木ゆうすけが恥ずかしさのあまり地面に穴があれば入りたいと思っていた時、冷たい女性の声が聞こえてきた。しかし、その声は鈴木ゆうすけの心に暖かい流れのように響いた。
話しかけたのは他でもない、杉本瑠璃だった。
桐生誠一と北澤亮太は少し驚いた。杉本瑠璃が排除された鈴木ゆうすけと組むとは思わなかった。
しかも、楽器演奏というのは、明らかに鈴木ゆうすけに合わせた選択だった。