興味深いことに、残りの人々の中で、桐生誠一側の討論スキットをする人々以外に、芸術学部の男子学生が一人、仲間外れにされていた。
その男子学生は他でもない、入学式の日に音楽の才能を見せた鈴木ゆうすけだった。鈴木ゆうすけは明らかに居心地が悪そうだった。結局、彼も芸術学部の学生なのだから、芸術学部の出し物には当然参加するべきはずだった。
このことから、鈴木ゆうすけは安藤颯に排除されたことは明らかだった。
仕方がない、芸術学部の新入生の男子は彼ら二人だけで、鈴木ゆうすけは音楽の才能が高く、容姿も整っているが、残念ながら人付き合いが苦手で、そのため安藤颯にこのように排除されてしまったのだ。
活動室の中の新入生は三つのグループに分かれていた。一つは安藤颯を中心とした演劇グループ、もう一つは桐生誠一を中心とした討論スキットグループ、そして最後は、中央に一人で立っている、明らかに浮いている鈴木ゆうすけだった。