第108章 山本主任の新しい手段

罰については、最終的には斎藤きくこがどう考えるかにかかっています。結局、斎藤お父様は彼女の実の父親なので、きくちゃんが本当にそこまでの決断ができるかどうかわかりません。

「きくちゃんの状態が落ち着いてから、彼女の意見を聞いてみましょう」

桐生誠一はただ頷くしかありませんでした。彼らがいくら焦ったり怒ったりしても無駄で、結局は斎藤きくこの態度次第なのです。

ただ、自分の父親を自らの手で刑務所に送るというのは、斎藤きくこにとってはあまりにも残酷すぎることかもしれません。

斎藤きくこが入院して療養することになったため、杉本瑠璃は考えた末、母親に来てもらって世話を頼むことにしました。杉本お母様は元々優しい人で、斎藤きくこの境遇を聞き、また杉本瑠璃と斎藤きくこが親友だと知ると、すぐに自ら看病すると申し出ました。

母親が病院で付き添ってくれることで、杉本瑠璃も少し安心し、この機会に二人に親しくなってもらえればと思いました。

実は杉本瑠璃は既に自分の考えを両親に話しており、両親も同意してくれました。彼らは非常に優しい人たちで、斎藤きくこという子が大変な思いをしていると感じ、斎藤きくこを養女として迎え入れることに同意したのです。

杉本お母様は細やかな気配りで看病してくれ、斎藤きくこは口には出さなかったものの、心の中では非常に感謝していました。彼女は長い間母親の愛情を感じることができませんでしたが、今また母親の愛情を感じることができたのです。

斎藤きくこが入院したため、この期間は当然学校に行くことができません。学校側もそれを認め、さらに教師や管理職が見舞いに来て、たくさんの栄養補給品を用意してくれました。入院費用も学校が負担してくれることになりました。

だからこそ、多くの学生が紅葉学園に行きたがるのも理由があるのです。彼らは紅葉学園の便宜を図ろうとしているわけではなく、このような時の学校の対応に感動しているのです。

これこそが、紅葉学園の卒業生たちが母校について語る時に、誇りと自信に満ちた表情を浮かべる理由であり、母校が助けを必要とする時には必ず援助の手を差し伸べる理由なのです。

これこそが真の学校であり、真の教育を実践できる場所なのです。