第111章 問い詰めに来る

藤原春樹は最近、仲間たちと共にずっとこの仕事に取り組んでいた。

杉本瑠璃は最初から覚悟していた。彼らがこのように大規模に土地を買収すれば、誰かが気付くはずだった。今になって気付かれたのは、むしろ幸運だったと言える。

「藤原春樹たちに急いで動くように言って、まずは一続きの土地を買収させろ。十分な広さが必要だ。その後、周辺の場所を選んで、一定の間隔を空けて土地を買収していく。覚えておけ、間隔は遠すぎても近すぎてもいけない」

日向あきらは少し虚ろな目をしていた。明らかに杉本瑠璃がなぜそうするのか理解できていなかった。一続きの土地を買うことは理解できる。基地や工場を建設するのにも都合が良い。しかし、なぜ散らばって買う必要があるのか?

杉本瑠璃は日向あきらの困惑した表情を見て、笑いながら説明した。「バレンタインデーを知っているか?」

日向あきらは頷いた。バレンタインデーは知っているが、土地買収とバレンタインデーに何の関係があるのだろう?

「じゃあ、いたずら好きな独身者たちがこの日に何をするか知っているか?」

日向あきらは慎重に考えてから、疑問を持って言った。「カップルを邪魔する?」

「近いな。独身者の中には、映画館の席を一つ飛ばしで買う奴らがいるんだ」

プッ!

日向あきらはそれを聞いて呆然とした。90年代は人々の考え方がまだ純粋だったからだ。

だから杉本瑠璃のこの悪質な策略を聞いて、日向あきらは笑うべきか泣くべきか分からなかった。しかし、少し考えただけで杉本瑠璃の意図を理解した。

こうすれば、たとえ誰かが異常な動きに気付いて、原西開発区の土地争いに参入しようとしても、手の打ちようがない。

まとまった土地は既に彼らが買収し、さらに一定間隔で土地を買収していけば、他の人々は土地の利用価値を考慮せざるを得なくなる。

そうでなければ、買えるのは断片的な土地ばかりで、つなげようとしても無理。きっと血を吐くほど悔しい思いをするだろう。

すごい!

本当にすごい!

こうなれば、他の人々が買おうとしても手の打ちようがなく、最終的にはその土地も杉本瑠璃の手に渡ることになる。

日向あきらは心から、杉本瑠璃に親指を立てた。

杉本瑠璃について行くのは、間違いなく賢明な選択だった。