今日の羽田和彦は相変わらず派手で目立つ路線を行き、まるで誰もが彼の粋な振る舞いを知るべきだと言わんばかりだった。
羽田和彦のそんな派手さに比べ、杉本瑠璃は三島悠羽の方が好ましく感じていた。
三島悠羽を見かけるたびに、彼は質素な服装をしているのに、言葉では表現できない魅力があった。どんなにシンプルな色でも、彼が着ると人々の目を引くのだった。
杉本瑠璃は気づいていなかったが、今や彼女は誰を見ても無意識のうちに三島悠羽と比べてしまうようになっていた。
「せっかくの来賓なのに、後ろで蜂や蝶を引き寄せるなんて、さすが羽田様らしいわね」
杉本瑠璃は、多くの女子学生の熱い視線が羽田和彦に注がれているのを見ていた。同時に、その熱い視線は杉本瑠璃をも焼き付けていた。
彼女は女子学生たちの敵になるつもりはなかった。すでに十分有名なのだから、これ以上有名になる必要はなかった。
羽田和彦は意味ありげに笑いながら身を乗り出し、その整った顔を杉本瑠璃に向けて、極めて自信に満ちた様子で言った。「もしかして蒼ちゃんは嫉妬してるの?ふふ、それは光栄だな」
杉本瑠璃は遠慮なく目を回して、「羽田様、私の面倒事がまだ足りないとでも思って、わざわざ増やしに来たんですか」
羽田和彦は一瞬驚いた後、背筋を伸ばして大笑いした。その粋な笑顔は、まるで一筋の陽光のように女子学生たちの心に差し込んだ。
彼女たちは今まで、男性の笑顔がこれほど魅力的なものだとは知らなかった。
その瞬間、女子学生たちは皆うっとりとしていて、おそらく杉本瑠璃だけが正気を保っていた。
杉本瑠璃は深いため息をつき、少し困ったように思った。今日から経済学部の学生だけでなく、他学部の人々からも圧力がかかり始めるだろう。
これはすべて羽田和彦の笑顔のおかげだった。
「どうした?多くの人に困らされてるのか?真央ちゃんから聞いたけど、今年の新入生はみんなかなりいじめられてるらしいな。特に君は、入学式で自分で専攻を選んだそうじゃないか。まさか三島悠羽から学んだわけじゃないよな?」
杉本瑠璃は深く息を吸い込んだ。彼女はこれまで三島悠羽も同じことをしていたとは知らなかった。
杉本瑠璃は説明しなかった。説明しても羽田和彦は聞く耳を持たないだろうことを知っていたからだ。だから気にしないことにした。誤解されるなら、されればいい。