第127章 陰謀と甘い関係(1)

「まさか、兄さんまでもあの小娘に計算されたの?」

山本颯真は兄の言葉を聞いて、完全に激怒した。山本家の中で、山本竜也は表面上は冷静を装いながら、目立たないように人を陥れるタイプだった。一方、山本颯真は比較的単純で、気に入らない相手には直接手を出すタイプだった。

これまで、山本颯真は山本竜也が自分より優れていると思っていたが、まさか山本竜也までもが杉本瑠璃のような小娘に一杯食わされるとは思わなかった!

山本竜也も顔を曇らせていた。幼い頃から、いつも人を陥れる側だった彼が、今回杉本瑠璃に仕掛けた罠がこれほど巧妙だったにもかかわらず、それでも杉本瑠璃に見破られてしまうとは。

「くっ!あの安藤颯という学生があまりにも愚かで、薬を使いすぎて病院送りにしなければ、こんなに大事にはならなかったのに!しかし、あの杉本瑠璃の手口も侮れないものだった。私が安藤颯に渡した薬の正体まで見抜いていたとは。それに遠野小川のやつ、肝心な時に裏切るなんて。なぜ杉本瑠璃が絡むと全てがこうもうまくいかないんだ!」