第126章 黒幕、暴かれる(5)

遠野小川はすぐに目が覚めた。先ほど起きたことも覚えていたが、ただ真実を話したくて仕方がなかった。今や全てを話してしまい、後悔しても取り返しがつかない。ただ、なぜ突然真実を話したくなったのかは分からなかった。

しかし、もう起きてしまったことは仕方ない。彼は志藤校長に助けを求めるしかなかった。「校長先生、私たち家族を助けてください。今日、山本主任の言うことを聞かなかったので、きっと私の家族に手を出すでしょう。父が刑務所に入るのは見たくありません。」

遠野小川のこの切実な懇願に、志藤校長と他の教師たちは彼の言葉をより信じるようになった。

「遠野君、安心しなさい。紅葉学園にはこのような事件を処理した経験があります。もし本当に君の家が山本家にお金を借りているのなら、学校に申請すれば、学校が援助して、まず借金を返済することができます。」

このような事件に対して、紅葉学園は常に全力で対応してきた。これも多くの紅葉学園の卒業生が、母校に忠実である理由の一つだった。

山本竜也はその場に立ち、状況が良くないと感じた。何か対策を考えなければならない。帰ってから弟の山本颯真と相談して、この件をどう解決するか考えなければならないと思った。

志藤校長がこれほど容赦なく彼の職位を剥奪したのだから、彼ももう校長を尊重する必要はないと思い、山本竜也は部屋を出ようとした。

「待って。」

山本竜也がドアを出ようとした瞬間、杉本瑠璃が彼の足を止めた。

山本竜也は既に怒りを抑えきれない状態で、杉本瑠璃の声を聞いて、彼女を殺してやりたいほどだった。振り向いて怒りの目で見つめ、「杉本瑠璃、三島様と付き合えたからって、私に好き勝手な指図ができると思っているのか?」

山本竜也は杉本瑠璃自身を恐れているわけではなく、彼女の後ろにいる三島様を恐れていた。杉本瑠璃と三島様の関係がまだ分からない状況では、彼女と正面から衝突したくなかった。

しかし今や主任の職も志藤校長に剥奪され、心に怒りを抱えていたため、もはやそんなことは気にしていられなかった。

杉本瑠璃は山本竜也の怒りなど気にも留めず、まるで女王のように立っていた。「山本主任は発表会の日はとても忙しかったはずです。一人の生徒に薬を盛る時間なんてなかったでしょう。私が知りたいのは、山本主任は誰に薬を渡し、誰が薬を盛ったのかということです。」