第129章 陰謀と甘い雰囲気(3)

斎藤きくこを追い払うと、寮には石川静香と杉本瑠璃の二人だけが残された。しばらくすると、杉本瑠璃は自分が知りたかった情報を手に入れた。

一方、石川静香は頭がぼんやりとして、何が起こったのかわからない状態だった。

杉本瑠璃は石川静香にも薬を使用したが、この薬は以前遠野小川に使用したものとは異なっていた。遠野小川に使用した薬は、目が覚めた後に自分が何を話したのかを覚えており、体への影響もなかった。

しかし、杉本瑠璃が石川静香に使用した薬は、目が覚めた後に何が起こったのか、自分が何を話し、何をしたのかを全く覚えていない。ただし、この薬は人体にある程度の悪影響があり、短期間の記憶力低下を引き起こす。

欲しい情報を手に入れた杉本瑠璃は、すぐに学校を離れ、数日間の休暇を取って三島悠羽のいるホテルへと向かった。

帝国ホテルに到着すると、杉本瑠璃は三島悠羽から渡されたブラックカードを提示し、ホテルのスタッフは非常に丁重に彼女を1208棟の別荘へと案内した。

杉本瑠璃は来る前に、誰かに情報を探らせることも考えたが、日向あきらたちは他の情報なら探れても、この種の傭兵に関する情報は彼らが触れられるものではなく、たとえ触れたとしても危険性が極めて高いため、日向あきらたちを危険な目に遭わせるわけにはいかなかった。

実際、杉本瑠璃も心の中では少し自信がなかった。彼女は傭兵と接触したことがなく、傭兵というのはテレビの中でしか見られない存在だと思っていた。

まさか、ある日誰かが傭兵の一団を雇って彼女を狙うとは...正直、光栄に思うほどだった。

あれこれ考えた末、杉本瑠璃は三島悠羽のところに行くのが最善だと判断した。三島グループには確かにボディーガードは不足していないだろう。しかし、この件は結局彼女が原因で起こったことで、三島悠羽に迷惑をかけてしまい、心が落ち着かなかった。

今回来てみると、インターホンを押す必要もなく、朝日執事が既に入り口で待っており、杉本瑠璃を見るとすぐに丁重に中へと案内した。

「最近、三島様のお体の具合はいかがですか?何か不調はありませんか?」

朝日執事は三島様の最も身近な人物であり、彼から三島悠羽の状態を知るのが最も確実だった。

杉本瑠璃は三島悠羽が認めたかかりつけ医であるため、朝日執事も彼女に対して非常に丁重で、外部の人が見たら驚くほどだった。