第131章 陰謀と甘い雰囲気(5)

杉本瑠璃は全身の力を手に集中させ、三島悠羽のバスローブを掴んでいた。彼女の引っ張りで大きく開いたバスローブから、まるでアポロンのような体格が露わになり、杉本瑠璃は思わず息を飲んだ。

思わず、杉本瑠璃は考えることもなく口走った。「素晴らしい体格ね。まさに着衣の時は細く見えて、脱いだら筋肉質というやつね!」

三島悠羽の眼差しが僅かに暗くなり、鼻先を杉本瑠璃から少し離した。杉本瑠璃も自分の言葉に気づき、慌てて取り繕った。「あ、あの、つまり、健康的な体を維持することは、あなたの病状にとても良いということです。はい、そういう意味です。これからも維持してください!」

美男子を鑑賞するのは問題ないが、からかうのはいけない。からかうにしても、相手を見極めなければならない。

三島悠羽のような危険な男性は関わらない方が賢明だ。さもないと、いつか骨一本も残さずに食べられてしまい、それでも「お腹いっぱいになりましたか?」と聞かなければならなくなる。