第131章 陰謀と甘い雰囲気(5)

杉本瑠璃は全身の力を手に集中させ、三島悠羽のバスローブを掴んでいた。彼女の引っ張りで大きく開いたバスローブから、まるでアポロンのような体格が露わになり、杉本瑠璃は思わず息を飲んだ。

思わず、杉本瑠璃は考えることもなく口走った。「素晴らしい体格ね。まさに着衣の時は細く見えて、脱いだら筋肉質というやつね!」

三島悠羽の眼差しが僅かに暗くなり、鼻先を杉本瑠璃から少し離した。杉本瑠璃も自分の言葉に気づき、慌てて取り繕った。「あ、あの、つまり、健康的な体を維持することは、あなたの病状にとても良いということです。はい、そういう意味です。これからも維持してください!」

美男子を鑑賞するのは問題ないが、からかうのはいけない。からかうにしても、相手を見極めなければならない。

三島悠羽のような危険な男性は関わらない方が賢明だ。さもないと、いつか骨一本も残さずに食べられてしまい、それでも「お腹いっぱいになりましたか?」と聞かなければならなくなる。

暗い眼差しは一瞬だけで、すぐに戯れるような表情に変わった。三島悠羽は現在の姿勢のまま動かず、杉本瑠璃を引き上げる様子もなく、紅のような唇に笑みを浮かべて言った。「へぇ?杉本先生は本当に常に私の病状を気にかけているんですね。私人医として雇ったのは、まったく間違いではなかったようです。」

杉本瑠璃の手は依然として三島悠羽のバスローブをしっかりと掴んでいた。今、少しでも手を緩めれば、確実に浴槽に落ちてしまう。

ぎこちなく取り繕うような笑顔を浮かべ、杉本瑠璃は笑いながら言った。「そうですとも、三島様が体を私に任せてくださったのですから、当然しっかり気にかけます。」

ぷっ!

この言葉を口にして、なんてみだらな響きなんだろう?

杉本瑠璃は心の中で自分を叱りつけ、急いで付け加えた。「あの、つまり、三島様は間違った選択をされていません。私は必ずあなたを失望させません!」

三島悠羽の口角の笑みが深くなるのを見て、杉本瑠璃は仕方なく続けた。「三島様、少し手を貸していただけませんか?この姿勢は、とても辛いんです。」