第158章 同室で過ごす(7)

「坊ちゃま、お戻りになりましょう」

朝日執事は初めて三島悠羽の車椅子を押すことを控えた。彼から見れば、三島様と杉本瑠璃のコンビは非常に目を楽しませるものだったので、邪魔をしないことにした。

三島悠羽は首を振り、周囲を見回した後、目に鋭い光を宿して言った。「残念ながら、そう簡単には帰れないようだ」

その言葉が終わるや否や、朝日執事は即座に三島悠羽と杉本瑠璃を守る体勢を取った。その身のこなしは実に鋭く、杉本瑠璃を驚かせた。朝日執事が武術の達人だとは思いもよらなかった。

三島悠羽の運転手も即座に飛び出してきて、三島悠羽と杉本瑠璃を車に押し込もうとした。杉本瑠璃もすぐに状況を把握した。

危険が迫っている!

傭兵だ!

その時、杉本瑠璃と三島悠羽は素早く動いたものの、車のそばまでしか到達できなかった。杉本瑠璃の左側の車に、突然銃弾の痕が現れ、ドンという鈍い音が響いた。